『山月記』(中島敦さん)

白樺の本棚

こんばんは! 守護神鑑定&占い◆白樺の騎士団・まほろです。

今回は有名な日本文学『山月記』について考えていきます。

久々に本棚シリーズの記事を更新できて嬉しいです!

よろしくお願いします!!

概要・あらすじ

中島敦の名作で、教科書にも採用されている作品です。

このお話の元ネタは『人虎伝』という中国の古典作品。(タイトル通り、人が虎になってしまう物語です)

あらすじは下記をご覧ください。(引用:「山月記の内容解説とあらすじ」

秀才である李徴は平凡な役人の仕事に満足出来ずに、詩で名を上げようとするも失敗。
復職した時には既に友人は出世していて、李徴は「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」の為に人と交わる事が出来ない。
そんな自分に苦しんで、羞恥心のあまりに虎になってしまった李徴。
昔の友人と森の中で再会し、自身のこれまでの運命を語る。
最後に詩と妻子への計らいを託し、姿を消してしまう。

私は李徴を徹底的に肯定したい!

李徴はなにかと批判されがちなキャラクター。

でも個人的にはかなりいい人だと思うんですよ、この李徴さん。

そこで今回は彼の羞恥心の原因を探りつつ、彼の良さをピックアップして紹介していきます。

①羞恥心の原因は世間の風潮

学校で『山月記』を習った際、「李徴は詩人になりたいと言いながら、師匠に弟子入りしたり仲間と切磋琢磨したりしなかった。羞恥心やプライドの高さから人との関わりを避け、自分をさらけ出せなかった弱い人だ」というような解説を聞きました。

でも私は「李徴だけを責めるのは違うんじゃない?」と思います。

李徴の羞恥心の原因は「失敗は恥ずかしいこと」という世間の風潮。

もし失敗に寛容で、誰も人の間違いを笑わない環境で生きてきたら、きっと李徴はちゃんと修行に励み、詩人になれたのではないかなと思います。

極論かもしれませんが、悪いのは李徴ではなく彼をこんなふうにしてしまった世の中なのではないでしょうか。

②「詩を書こう」と思えるだけで個人的にすごいと思う

私は詩を読む機会があっても、「自分で詩を書いてみよう」という発想にはならないので、「自分の中にある感情や考えを言葉で表現しよう」と思える李徴はすごいなと思いました。

「表現したい」という気持ちは、情熱や鋭敏さがないと生まれません。

李徴は心が豊かな繊細な人なのだと思います。

③素直に自分の非を認め、それを人に話せる強さ

李徴は友人に「自分のこういうところがよくなかった。だから虎になっちゃったんだと思う」とストレートに打ち明けています。

李徴は自分の間違いを認め、正直にそれを人に話せる強い人

私はそういう李徴がすごくすてきだなと思います。

李徴を人に戻してあげたい

「こんないい人が虎になちゃうなんて理不尽! 人に戻してあげたい」と私は思いました。

でも『山月記』の続編を書いたら蛇足感出ちゃうのかな…。

あなたはどう思いますか?

よかったらぜひ感想を送ってくださいね。

本日もお読みいただき、ありがとうございました。

守護神鑑定&占い◆白樺の騎士団でした!

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